環境問題スクラップ帳

環境問題の英文ニュースを集め、冒頭を訳して紹介します。引用元で続きを読んでください。英文多読に便利です。

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なぜ、地球上の自然の危機が、気候変動同様に危険なのか

【記事タイトル】
‘We are losing the web of life’: why the global nature crisis is as dangerous as climate change

「生命の網が失われている」なぜ、地球上の自然の危機が、気候変動同様に危険なのか


【引用元】

unearthed.greenpeace.org

(英文は引用したものです。訳文、単語の意味については当ブログで補いました。引用元は上記リンクです。ぜひ続きを読んでみてください)


【記事冒頭】

At London Zoo one week ago, frog experts from around the world gathered to discuss an emergency plan.

The crisis largely concerns chytridiomycosis, a fungal disease that is eating away the skin of amphibians – mostly frogs, but also toads and salamanders – at speed. In the last 50 years, from Europe to Africa to South America, mass mortality events have sent at least 90 species to global extinction, with 500 more experiencing dramatic declines.

 1週間前ロンドン動物園に、世界中のカエル専門家が集まり、緊急対策について議論した。

危機とは主にカエルツボカビ症についてのもので、これは菌による病で、両生類の体表を急速に食い荒らすもので、主にカエル、それに加えヒキガエル、サンショウウオなどが感染する。過去50年間、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカで大量死が起こり、少なくとも90種が絶滅し500以上の種で大きな個体数の減少が見られた。

 

But it’s not only ecologists that need to be worried about global amphibian declines, which are down not only to chytridiomycosis, but to chemical contamination, the exploitation of habitats, UVB radiation and climate change.

Amphibians are integral to their ecosystems. They are herbivores and carnivores, predator and prey. They link habitats on land with those in water. They provide food for birds, animals and snakes. They eat flies and mosquitoes that spread human diseases, from dengue fever to malaria. Their skin can have medical uses, and they have been useful to those studying the regeneration of limbs and organs.

 しかし、この世界中の両生類の減少を心配すべきなのは生態学者だけではない。この減少はカエルツボカビ症だけでなく、化学汚染、生息地の開発、中波長紫外線、気候変動なども原因に含まれる。

両生類は、生態系にとって必要不可欠だ。両生類には草食も肉食もおり、捕食者にも被食者にもなる。陸と水をつなぐ場所に生息する。鳥や動物、ヘビの食料となる。デング熱やマラリアなど、人に感染する病気を運ぶハエやカを食べる。両生類の皮は医薬品になり得るし、肢や臓器の再生の研究に使われてきた。


【単語リスト】

web 織物、クモの巣、ウェブ、入り組んだもの
emergency plan 緊急対策
fungal 菌類の (=fungous)
amphibian 両生類、両生類の
frog カエル
toad ヒキガエル、ガマガエル
salamander サンショウウオ
mortality 大量死 
ecologist 生態学者、環境保護論者
contamination 汚染
exploitation 開発、搾取
habitat 環境、生息地
UVB radiation 中波長紫外線、B波紫外線
integral 絶対必要な、不可欠な
herbivore 草食動物、植物食動物
carnivore 肉食動物
predator 捕食者
prey えじき、被食者
dengue fever デング熱
regeneration 再生
limb 肢、手足、翼

 

 【訳注】

chytridiomycosis カエルツボカビ症。ウィキペディアより転記:カエルツボカビ症(蛙壷黴症、カエルツボカビしょう)は、ツボカビの一属一種の真菌カエルツボカビ (Batrachochytrium dendrobatidis Longcore et al., 1999) によって引き起こされる両生類の致死的な感染症である。野生の個体群でのこの疾病に対する効果的な対策は存在しない。

(日本語)

カエルツボカビ症 - Wikipedia

(英語)

Chytridiomycosis - Wikipedia


frog/toad  frogはカエル全般。アマガエルなど。toadはヒキガエルなど陸地で生息するカエル。

(参考記事↓)

The Difference Between a Frog and a Toad | Order Anura


UVB radiation 紫外線増加と両生類の減少について、ウィキペディアから転記:多くのほかの生物と同じく両生類も成層圏のオゾン層破壊による紫外線 (UVB) の増加に害を被っている。(中略)両生類は外温性であり、熱帯以外では体温を上げるために日光浴をする。このため、内温性動物より紫外線の影響を強く受ける。特に高山性のカエルは多くの紫外線を受けることになる。(中略)何百万年もの間、両生類は紫外線の害に対する効果的な防御を進化させてきた。自然な状況下での紫外線による死や変異は1種の両生類でさえも報告されていない。大気のオゾン減少による紫外線のいくらかの増加にも関わらず、紫外線を両生類減少の要因とする証拠は極めて弱い。

(日本語)

両生類の減少 - Wikipedia

(英語)

Decline in amphibian populations - Wikipedia


herbivores and carnivores, predator and prey 両生類には草食と肉食の両者がおり、捕食者でも被食者でもある。下記ページより転記:すべての生物は食物連鎖と呼ばれる目に見えない鎖で繋がっています。太陽のエネルギーは生産者である植物に取り込まれます。植物を食べる昆虫のような動物を一次消費者と呼びます。一次消費者を食べる動物は二次消費者です。二次消費者を食べるものは三次消費者という具合に次々に生物が食べられることによって生態系全体にエネルギーが供給されていきます。こうした食物連鎖の中で、カエルは一次消費者である昆虫類と高次の消費者である鳥類やほ乳類への橋渡し的役目を果たしています。(中略)カエルと異なり、オタマジャクシは肉食ではありません。おもに水底の水ごけなどを剥ぐようにして食べる植物食です。したがって食物連鎖ではコオロギやウシなどと同じ一次消費者(草食動物)となります。一般的に草食動物は数が多いのですが、オタマジャクシも例外ではありません。水田の中では、圧倒的な数を誇ります。もちろん、そのすべてが変態できるわけではなく、大半が水の中で他の動物の餌となります。タガメ、ヤゴ、ミズカマキリなどの水生昆虫はオタマジャクシに依存する率も高く、もし、オタマジャクシがいなくなってしまうと、深刻な影響を受けることになります。(引用以上)

両生類が減ると困ること

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